【獣医師が解説】犬の血尿の原因と受診の目安|厚木市の動物病院、はやし犬猫病院
厚木市、海老名市、伊勢原市の皆様こんにちは。
厚木市本厚木の動物病院、はやし犬猫病院です。
今回は「犬の血尿(けつにょう)」について、原因や自宅で気をつけたいこと、動物病院を受診すべき症状の目安を獣医師の視点から解説いたします。
■ 血尿とは?見た目でわかるチェックポイント
「血尿」とは、尿に血液が混ざって赤みやピンク色、あるいは茶色っぽく見える状態を指します。
以下のような状態が見られる場合は血尿の可能性があります。
- おしっこが赤・ピンク・オレンジっぽい
- シーツや床に薄く赤い跡が残る
- 尿の最後の部分に血が混ざる
- 血の塊や凝血が出る
📌 尿の色だけでなく、「排尿の様子」や「回数・量・痛みの有無」も大切な判断材料になります。
■ 【原因別】犬の血尿で考えられる主な疾患
血尿の背景には、比較的軽度の膀胱炎から、命に関わる病気までさまざまな可能性があります。
① 膀胱炎(もっとも多い原因)
- 細菌感染による炎症
- トイレを我慢している
- 免疫低下・ストレスなど
🔎 特徴:頻尿、排尿時に痛がる、残尿感がある、トイレの回数が増える
② 尿石症(尿路結石)
- ストルバイト、シュウ酸カルシウムなどの結石が膀胱や尿道を傷つける
- 尿が出にくい、トイレでうずくまるなどの様子も
⚠️ オス犬の場合、結石で尿道が完全に詰まると命に関わります。
③ 腎臓や尿管の病気
- 腎盂腎炎(じんうじんえん)、腎炎など
- 腎臓腫瘍(腎細胞がんなど)
特徴:血尿以外に、嘔吐・元気消失・食欲低下が見られることもあります。
④ 外傷・陰部のケガ
- 他の犬とのケンカ
- 引っかき傷、転倒による損傷
- 発情期のメス犬で、出血と見間違えることも
⑤ 子宮・前立腺の病気
- メス犬:子宮蓄膿症、子宮内膜炎
- オス犬:前立腺肥大、前立腺炎、腫瘍
特徴:排尿困難、下腹部の張り、元気がない、発熱などがある場合は特に注意。
⑥ 腫瘍(がん)
- 膀胱がん(移行上皮がんなど)
- 尿道・前立腺・腎臓の腫瘍
高齢犬に多く、初期は血尿だけというケースもあります。
■ 自宅でできるチェックポイント・対処法
血尿が見られたら、まず以下を確認しましょう。
✅ 飼い主様ができること
- おしっこの色・回数・量を観察する
- 排尿時の様子を動画で記録する
- 尿を清潔な容器に採取しておく(受診時に持参)
📌 「おしっこをしようとしているのに出ない」「何度もトイレに行く」などがある場合はすぐに動物病院へ。
■ 動物病院を受診すべき血尿の目安
以下のような場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。
症状 | 理由 |
✅ 血尿が24時間以上続く | 膀胱炎や腎臓疾患の可能性 |
✅ 頻繁にトイレに行くが、尿が出ない | 尿道閉塞の危険(特にオス犬) |
✅ 嘔吐・元気消失・食欲不振を伴う | 腎臓・全身性疾患の可能性 |
✅ お腹を痛がる、鳴く | 尿石や膀胱炎による痛みがある可能性 |
✅ 子犬・老犬・持病持ちの犬 | 重症化しやすく、脱水にも注意が必要 |
■ はやし犬猫病院での診療と検査
血尿の診断には、以下のような検査を組み合わせて行います。
- 尿検査:潜血・細菌・結晶・pHなどを確認
- 血液検査:腎臓の状態や炎症の有無を確認
- レントゲン・超音波検査:結石・腫瘍・膀胱壁の異常をチェック
当院では、**「その場しのぎではなく、原因から解決する治療」**を大切にしています。症状と検査結果に応じて、抗生物質・食事療法・点滴・外科的処置など、総合的な診療をご提供しています。
■ よくあるご質問(Q&A)
- うちの子、血尿っぽいけど元気なんです。病院行った方がいい?
→ 元気でも、尿に異常があるのは体のサイン。放置せず、一度の受診をおすすめします。 - 尿を持って行った方がいいですか?
→ はい。できれば数時間以内に採取した尿を清潔な容器に入れてご持参ください。 - 家でできる予防法はありますか?
→ 水をしっかり飲ませる、トイレを我慢させない、定期的な健康診断を受けるなどが効果的です。
■ まとめ:犬の血尿は早期発見・早期治療がカギ
犬の血尿は、膀胱炎など軽度なものから、腫瘍・結石・腎臓病など重篤な病気まで原因がさまざまです。
「いつもと違う」「少しでも気になる」と思ったら、迷わずご相談ください。
厚木市本厚木の「はやし犬猫病院」では、犬の泌尿器トラブルを丁寧に診察・治療しています。
海老名市、伊勢原市からのご来院も多く、地域の皆様に信頼いただいております。
お困りの際はお気軽にご予約・ご相談ください。