【獣医師が解説】犬が吐く原因と受診の目安|厚木市の動物病院、はやし犬猫病院
厚木市、海老名市、伊勢原市の皆様こんにちは。
厚木市本厚木の動物病院、はやし犬猫病院です。
今回は「犬が吐く」症状について、考えられる原因や自宅での対応、動物病院を受診すべきタイミングなどを獣医師の立場から解説いたします。
■ 犬が吐くのはよくあること?まずは“吐く”の種類を知る
犬が「吐く」と一口に言っても、大きく2つの種類があります。
- 嘔吐(おうと)
胃の中の内容物を逆流させて吐き出す行為。多くは前兆(よだれ、吐き気、落ち着きのなさ)があります。黄色い胃液や食べた物が出てくることが多いです。
- 嚥下性逆流(えんげせいぎゃくりゅう)
いわゆる「吐いたように見えるけど、実は喉の奥から戻している」ケース。咳をするように見えたり、白っぽい泡を吐き出すことがあります。
両者は見た目が似ているため、飼い主さんが見分けるのは難しいこともあります。
■ 【原因別】犬が吐くときに考えられる主な理由
① 食べすぎ・早食い・空腹
- 食後すぐに吐く:食べすぎや早食い、のどにつかえたケース
- 空腹時に吐く:朝方に黄色や白い胃液を吐く → 空腹嘔吐の可能性
② 食べてはいけないものを誤食した
- タマネギ、チョコレート、ぶどうなどの中毒物
- ビニール、おもちゃなどの異物
→ 中毒や腸閉塞のリスクがあるため、すぐに受診が必要です。
③ 胃腸の炎症(胃炎・腸炎)
- 細菌感染、ウイルス、寄生虫など
- フードの質が合わない、古くなった食べ物など
④ 病気による嘔吐
- 膵炎(高脂肪食後に多い)
- 腎不全、肝不全
- 糖尿病、子宮蓄膿症
- がん(胃腸腫瘍など)
特に、元気がなく食欲もない場合は重大な疾患が隠れている可能性が高いです。
■ 自宅で様子を見ても良い場合のポイント
以下のような状況であれば、1日ほど様子を見ることも可能です。
- 吐いた後は元気・食欲がある
- 1回だけで、その後安定している
- 食べた直後の吐出(早食い・水のがぶ飲みなど)
📝 対応例
- 半日〜1日の絶食(状態が安定していて、軽度な嘔吐の場合に限ります。また子犬・老犬に長時間の絶食は要注意です。)
- 少量ずつの水分補給
- 消化の良いフードへ切り替え
ただし、同じことが繰り返される場合は獣医師の診察をおすすめします。
■ 動物病院を受診すべき症状の目安
以下のような症状がある場合は、すぐに動物病院の受診をご検討ください。
- 1日に何度も吐く
- 吐いた後も元気がない・ぐったりしている
- 血が混じった嘔吐物
- 黒色やコーヒーのような色の嘔吐物
- 食べていないのに吐く
- 下痢や発熱、震えなども伴う
- 誤食の可能性がある(異物・毒性のある食品)
- 子犬や老犬が吐いている
これらは何らかの病気のサインであったり重症化する可能性もあるため、早期診察が重要です。
■ 犬の嘔吐にどう備える?予防のポイント
- フードは決まった時間に、適量を与える
- 早食い対策としてフードボウルを工夫する(スローフィーダー等)
- 拾い食いを防ぐため、散歩中は目を離さない
- 家の中では危険な物(薬・タマネギ・チョコ等)を犬の届かない所に保管
- 定期的な健康診断で、内臓疾患を早期発見
■ Q&A:飼い主さんからよくあるご質問
- 吐いたけど、元気なら様子見で大丈夫?
→1回だけで、その後元気・食欲がある場合は様子見可能です。ただし、続くようなら来院をおすすめします。 - 吐いたものが黄色や白い泡だったけど大丈夫?
→空腹嘔吐や胃液の可能性があります。慢性的に続く場合は胃炎や逆流性疾患の可能性もあるためご相談ください。 - 誤食したかもしれない。吐かせた方がいい?
→自己判断で吐かせるのは危険です。すぐに動物病院へお電話ください。
■ はやし犬猫病院の方針と診療体制
当院では、**「症状を抑えるだけでなく、原因を突き止める」**ことを重視しています。
犬の嘔吐は、胃腸トラブルだけでなく、肝臓・腎臓・ホルモン・腫瘍など多くの疾患が関係する可能性があります。
問診、触診、血液検査、超音波検査などを組み合わせて、正確な診断と治療をご提案します。
■ まとめ:犬が吐いたら、見逃さずにチェックを
犬の「吐く」行為は軽く見られがちですが、重篤な疾患のサインであることもあります。
何度も吐く、元気がない、異物の誤食が疑われる場合は、すぐに動物病院での診察が必要です。
厚木市の「はやし犬猫病院」では、犬の嘔吐を含む内科・消化器疾患の診察に対応しています。
本厚木・海老名・伊勢原など周辺地域の飼い主様に寄り添い、丁寧な診療を心がけております。
お気軽にご相談ください。