【獣医師が解説】犬のいびきは病気のサイン?原因と対処法|厚木市のはやし犬猫病院
厚木市、海老名市、伊勢原市の皆様こんにちは。
厚木市本厚木の動物病院、はやし犬猫病院です。
「うちの子、寝てるとグーグーいびきをかくけど大丈夫?」
「最近いびきが大きくなってきた気がして心配…」
そんな“いびき”に関するご相談を受けることが増えてきました。
人と同じように、犬にもいびきをかく子がいます。一見かわいらしくも聞こえるいびきですが、実は中には注意が必要なケースもあります。
今回は、犬のいびきの原因や見極め方、病院に行くべき目安、治療や予防のポイントについて獣医師がわかりやすくご説明します。
■症状|犬のいびき、どんなときに気をつける?
犬のいびきは、寝ているときに「グーグー」「ブーブー」といった音が聞こえる状態です。
音の大きさや頻度は犬によって異なりますが、次のような場合は注意が必要です。
- いびきの音が突然大きくなった
- 起きているときにも呼吸音がゴロゴロ・ゼーゼー聞こえる
- 眠っているときに呼吸が止まったように見える/ムセる
- 寝る姿勢が不自然(首を伸ばして苦しそう)
- いびきと同時に、日中も疲れやすくなっている
これらの症状がある場合、ただの寝音ではなく、呼吸に関わる病気のサインであることも考えられます。
■原因|犬のいびきはなぜ起きるの?
犬のいびきの原因はさまざまですが、主に以下のようなものが関係しています。
1.鼻やのどの構造的な問題
特にパグ、フレンチブルドッグ、シーズーなどの短頭種(鼻ぺちゃの犬種)は、生まれつき気道が狭く、いびきをかきやすい体のつくりをしています。
これらの犬種では軟口蓋過長症(のどの奥の粘膜が長い)や鼻腔狭窄などがあり、慢性的ないびきになることがあります。
2.肥満による気道の圧迫
首まわりや胸に脂肪がつくことで、呼吸時の空気の通りが悪くなり、いびきが出やすくなります。
肥満がある場合は、ダイエットが改善につながることも。
3.仰向けや枕など寝姿勢の問題
仰向けになって寝ると、舌やのどの組織が気道をふさぎやすくなり、いびきをかくことがあります。
リラックスしすぎているときや、顎の角度が合わない枕なども原因になることがあります。
4.アレルギーや鼻炎、喉の炎症
ほこりや花粉、香水・タバコの煙などの刺激で粘膜が腫れ、呼吸音が出やすくなることもあります。
いびきと一緒に鼻水・くしゃみ・咳がある場合は注意が必要です。
5.異物の混入や腫瘍
まれに、のどや鼻の奥に異物や腫瘍ができて空気の通りが悪くなっている場合もあります。
症状が急に悪化したときは、早めの検査が必要です。
■動物病院に行くべき目安
次のような症状が見られるときは、いびきを放置せず、早めの診察をおすすめします。
✅いびきが急に大きくなった/頻度が増えた
✅寝ているときに苦しそう/呼吸が止まっているように見える
✅寝ている途中でむせたり、起きてしまう
✅起きているときも呼吸音がゴロゴロしている
✅呼吸が浅い、疲れやすい、咳をする
✅肥満傾向があり、呼吸が乱れやすい
✅高齢になってから急にいびきが始まった
⚠️いびきは放っておいても良い場合と、気道閉塞や睡眠時無呼吸症候群などの危険な病気につながるケースがあります。
見極めに迷ったときも、お気軽にご相談ください。
■治療方法|原因に応じたやさしい治療をご提案します
はやし犬猫病院では、ワンちゃんのいびきの背景にある問題をしっかり見極め、根本的な治療や生活改善を一緒に考えます。
- 身体検査、鼻や喉の構造チェック、レントゲン検査などを行い、気道の状態を確認(状況によってはCT検査が必要になることもあります。その場合は検査可能な施設を紹介します)
- 肥満が原因であれば、体重管理やフードのご提案
- 炎症やアレルギーがある場合は、抗炎症薬・抗ヒスタミン薬などで対応
- 短頭種症候群や構造的な問題がある場合には、外科的処置を検討することもあります
また、睡眠時の姿勢やベッドの形状、室温や湿度の調整といった生活環境のアドバイスも行います。
■はやし犬猫病院のいびき診療の特徴
- 短頭種を多く診てきた呼吸器トラブルに詳しい獣医師が対応
- 痛みやストレスをできるだけ減らすやさしい検査と治療
- 飼い主さまと一緒に、生活スタイルに合わせた対策を考える診療スタイル
- 必要に応じて、提携施設での高度検査や手術もサポートいたします
「いびきって病院に相談してもいいのかな…」と迷っている方も、まずは気軽にお声がけください。
予防方法|日常生活でできるいびき対策
■いびきを予防・軽減するためには、以下のような工夫がおすすめです。
- 体重管理をしっかりと:肥満はいびきの大きな原因になります
- 枕やベッドの高さを調整:顎が下がらないような寝姿勢に
- こまめな掃除と換気:アレルゲンやホコリを減らすことで鼻の通りがよくなります
- 加湿器で室内を適度に加湿:乾燥を防ぐことで鼻や喉の刺激を軽減
- 日中の適度な運動:筋力や代謝を保ち、呼吸機能を維持します
Q&A|飼い主さまからよくあるご質問
- いびきをかくのは犬種の特徴ですか?
A. はい、短頭種はもともと鼻や喉の構造が狭いため、いびきをかきやすい傾向があります。ただし、大きないびきや急な変化がある場合は注意が必要です。 - 仰向けで寝るときだけいびきをかきます。問題ないですか?
A. 姿勢による一時的ないびきであれば問題ないことが多いですが、頻度が高かったり、苦しそうな様子がある場合は診察をおすすめします。 - いびきを治す方法はありますか?
A. 原因によって治療方法が異なります。肥満やアレルギーが原因であれば生活改善で良くなることもありますし、構造的な問題は手術が必要なこともあります。まずは検査で原因をはっきりさせることが大切です。
まとめ|犬のいびきは「かわいい音」だけではないかもしれません
犬のいびきは、構造的な特徴や姿勢などが原因のこともありますが、ときには体調不良や呼吸器の病気のサインであることもあります。
特に、いびきの音が変わった・頻度が増えた・苦しそうにしているといった変化が見られた場合は、早めの受診をおすすめします。
はやし犬猫病院では、飼い主さまのお話をしっかり伺いながら、丁寧に検査・治療を行うことを大切にしています。
気になるいびきがあるワンちゃんは、どうぞお気軽にご相談ください。
ワンちゃんの快適な毎日を、私たちがしっかりサポートいたします。