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病院ブログ|厚木市にある土日診療・往診の動物病院 - はやし犬猫病院

【獣医師が解説】犬の歯石がたまる原因と治療・予防法|厚木市のはやし犬猫病院

厚木市、海老名市、伊勢原市の皆様こんにちは。
厚木市本厚木の動物病院、はやし犬猫病院です。

 

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わんちゃんの口をのぞいたとき、「歯が黄ばんでいる」「口が臭う」と感じたことはありませんか?
それはもしかすると、歯石の蓄積による歯周病のサインかもしれません。

犬の歯石は放置すると、歯ぐきの炎症や歯のぐらつきだけでなく、心臓・腎臓など全身の健康にも影響を与えることがあります。
今回は、犬の歯石について、原因・治療法・ご自宅でのケア・予防方法を獣医師が解説します。

 

犬の歯石とは?

犬の歯石とは、歯垢(しこう)=食べかすや細菌のかたまりが、唾液中のミネラルによって固まったものです。
歯石は歯に強く付着し、ブラッシングでは取れません。
その表面にさらに細菌が繁殖していくため、歯周病の温床となります。

犬の歯石は人よりも早く形成され、約3〜5日で歯垢が歯石に変化します。
そのため、日々のケアを怠るとすぐに固まり、悪化してしまうのです。

 

歯石による主な症状

犬の歯石が増えると、次のような症状が見られます。

  • ・口臭が強くなる
  • ・歯ぐきが赤く腫れる(歯肉炎)
  • ・歯の根元に黒い歯石がついている
  • ・食べるときに痛そうにする
  • ・よだれが増える
  • ・歯がぐらぐらする・抜ける

重度の歯周病になると、**あごの骨が溶ける(骨吸収)**こともあり、早めの治療が必要です。

 

犬に歯石がたまる主な原因

  • ・歯みがき習慣がない
    毎日のブラッシングができていない場合、歯垢が残りやすくなります。
  • ・ドライフード以外の食事が多い
    柔らかいフードは歯に付きやすく、歯垢が残りやすくなります。
  • ・唾液の質や量
    犬種や体質により、唾液中のミネラル量が多いと歯石ができやすくなります。
  • ・歯並びの悪さや口の中のトラブル
    乳歯遺残(乳歯が残っている)や噛み合わせ不良も原因となります。
  • ・年齢・免疫力の低下
    高齢犬では歯垢が蓄積しやすく、歯ぐきの防御力も低下します。

特に小型犬(チワワ・トイプードル・マルチーズなど)は歯石が付きやすい傾向があります。

 

動物病院に行くべき目安

次のような症状が見られたら、歯石除去を検討してください。

  • 口臭が強くなってきた
  • 歯の表面が黄色や茶色になっている
  • 歯ぐきから血が出る
  • 食欲が落ちている、固いものを嫌がる
  • 顔の片側が腫れている

歯石や歯周病を放置すると、心臓病・腎臓病・肝臓病のリスクが上がることが分かっています。
早めの診察が、健康寿命を延ばすポイントです。

 

犬の歯石の治療法

歯石はブラシでは落とせないため、**動物病院でのスケーリング(歯石除去)**が必要です。

一般的な治療の流れ

  1. 1. 全身麻酔下での歯石除去(超音波スケーラーを使用)
  2. 2.歯の研磨(ポリッシング):再付着を防ぐために表面を滑らかに仕上げます
  3. 3. 必要に応じて抜歯・歯周ポケット洗浄

当院では、安全に配慮し、事前に血液検査などの麻酔前検査を実施しています。
歯石を取るだけでなく、歯ぐきの状態や歯の根の感染なども同時にチェックします。

 

はやし犬猫病院での治療

はやし犬猫病院では、歯石除去や歯周病治療を行っています。

  • ・血液検査による全身状態の確認
  • ・超音波スケーラーを用いた歯石除去
  • ・歯周ポケット洗浄・研磨
  • ・抜歯が必要な場合の処置も対応

また、処置後にはご家庭での歯みがき方法やケア用品のご提案も行っています。
「どんな歯ブラシを使えばいいの?」「嫌がってできない」といったご相談もお気軽にお声がけください。

 

ご自宅での対処法

歯石除去後の再発防止や、軽度の歯垢対策には、以下のケアが有効です。

  • ・毎日の歯みがき(理想は1日1回、少なくとも週3回)
  • ・デンタルシートや歯みがきガムの活用
  • ・歯垢予防用フード・サプリメントの使用
  • ・お口を触る習慣をつける(歯みがきへの慣れ)
  • ・硬すぎるおもちゃや骨は避ける(歯が欠ける原因になります)

歯みがきを嫌がる場合は、まずは口周りを触る練習から始めるのがポイントです。

 

予防

犬の歯石を予防するには、毎日のケアと定期的なチェックが欠かせません。

  • ・定期的な歯科健診(半年〜1年に1回)
  • ・歯垢が目立つ前にスケーリング
  • ・食後の歯みがき習慣
  • ・ドライフード中心の食事で汚れをつきにくく

「においが気になる」「ちょっと黄ばんできた」と感じたら、早めにご相談ください。
歯石は取るより「つけない」ことが大切です。

 

よくある質問

  1. 1. 麻酔をかけずに歯石を取ることはできますか?
    A. 無麻酔での歯石取りは、表面しか削れず、歯ぐきの中の汚れが残ります。再付着や痛みの原因になるためおすすめできません。
  2. 2. 歯石を取ったあとにまたつきますか?
    A. 歯みがきや食事管理をしないと再付着します。定期的なケアが重要です。
  3. 3. 何歳から歯みがきを始めたらいいですか?
    A. 子犬のころから慣らすのが理想です。成犬でも徐々に慣らせば始められます。

 

まとめ

犬の歯石は、見た目の問題だけでなく、歯周病や内臓疾患のリスクにつながります。
定期的な歯科ケアと早めの受診で、口腔内と全身の健康を守りましょう。

厚木市・海老名市・伊勢原市で犬の歯石や口臭が気になる方は、
お気軽にはやし犬猫病院へご相談ください。