【獣医師が解説】犬のよだれが多い原因と治療法|厚木市のはやし犬猫病院
厚木市、海老名市、伊勢原市の皆様こんにちは。
厚木市本厚木の動物病院、はやし犬猫病院です。
「最近よだれの量が増えた気がする…」
「片側だけよだれが垂れてしまう」「よだれが泡状になっている」
このような症状が見られると、病気かどうか心配になる方も多いと思います。
犬のよだれは、生理的(正常)な場合もあれば、病気のサインであることもあります。
今回は、犬のよだれが増える原因や治療法、ご家庭での対処法を獣医師がわかりやすく解説します。
犬のよだれとは?
犬のよだれ(唾液)は、食事を消化したり口内を保護するために分泌されるものです。
通常も多少のよだれはありますが、
「量が急に増えた」「片側だけ垂れる」「よだれが泡状」などの場合は注意が必要です。
犬によだれが増えたときに見られる症状
- ・涎がポタポタ落ちる
- ・泡状のよだれを吐き出す
- ・口をくちゃくちゃさせる
- ・口の周りを気にする
- ・片側のよだれだけ極端に多い
- ・食欲が落ちている
- ・口臭が強くなる
これらの症状がある場合、口の中だけでなく、全身状態の異変の可能性もあります。
犬のよだれが増える主な原因
犬のよだれが増える原因は、「正常なもの」と「病気によるもの」に分かれます。
■ 正常なよだれの増加(生理的なもの)
- ・美味しい匂いを嗅いだとき
- ・車酔い・緊張・恐怖
- ・暑さによる熱中症の初期
- ・運動後の一時的なパンティング
これらは一時的で、時間が経てば落ち着きます。
■ 病気によるよだれの増加(要注意)
① 口腔内トラブル(最も多い原因)
- ・歯周病
- ・歯石の蓄積
- ・歯のぐらつき・破折
- ・口内炎
- ・口の中に異物が刺さっている(骨・木片・おもちゃ)
口の痛みで、よだれが垂れる・食べにくそうにする症状が出ます。
② 中毒(緊急)
- ・植物・薬品・人の薬
- ・チョコレート、キシリトール
- ・殺虫剤などの誤食
よだれが大量に出て泡状になることがあります。すぐに受診が必要です。
③ 熱中症
暑さで体温が上がると、よだれを垂らして体温調節をします。
ぐったりしている場合は危険です。
④ 吐き気・胃腸のトラブル
胃の不調や乗り物酔いでもよだれが多くなります。
⑤ 口・顔の神経の異常(顔面神経麻痺)
片側の口が閉じにくくなり、よだれが垂れることがあります。
⑥ 喉や食道の異常
腫瘍、炎症、異物などで飲み込みが困難になると、よだれが増えます。
動物病院に行くべき目安
以下のような症状がある場合は、早めの診察をおすすめします。
- ✅よだれが 急に増えた
- ✅泡状・糸を引くようなよだれ
- ✅元気・食欲がない
- ✅口を開けたがらない・痛がる
- ✅片側だけよだれが多い
- ✅嘔吐や下痢を伴う
- ✅物を飲み込めない
- ✅中毒の可能性がある
よだれの異常は、緊急性の高い病気のサインのこともあります。
犬のよだれの治療法
原因に応じて治療内容が異なります。
- ・歯周病・口内炎
→ 歯石除去、抗生剤・消炎剤、必要に応じて抜歯 - ・異物の刺さり
→ 除去処置 - ・中毒
→ 解毒処置、入院管理 - ・熱中症
→ 冷却・点滴 - ・胃腸のトラブル
→ 吐き気止め・内服治療 - ・神経疾患
→ 原因に応じた治療(ステロイドなど)
日常的なよだれ増加は“様子見”で済むこともありますが、
痛みや病気が原因の場合は放置すると悪化するため早期診断が最も大切です。
はやし犬猫病院での治療
はやし犬猫病院では、よだれの原因を特定するため、以下のような検査を行っています。
- ・口腔内の視診・触診
- ・歯石・歯周病のチェック
- ・異物の有無の確認
- ・血液検査(中毒・炎症の確認)
- ・レントゲン(喉・食道・異物チェック)
- ・必要に応じて腹部エコー
原因を明確にしたうえで、
その子に合った治療・痛み管理・ホームケアをご提案します。
ご自宅での対処法
軽度の場合や病院受診前にできることは以下の通りです。
- ・口の中を無理に触らない
- ・中毒の可能性がある場合は 食べた物を確認
- ・水を飲めるか確認する
- ・よだれで濡れた部分をやさしく拭く
- ・暑そうなら涼しい場所で休ませる
※よだれが多い場合、人間用の薬や自己判断の処置は危険です。
予防
日頃のケアで予防できるものも多くあります。
- ・毎日の歯みがき
- ・口の中を清潔に保つ
- ・危険な食べ物・薬品は手の届かない場所へ
- ・夏場の温度管理
- ・定期的な健康診断
- ・異物を噛みちぎりにくいおもちゃを使用
特にシニア犬は口腔トラブルが増えるため、定期的な歯科チェックがおすすめです。
よくある質問
- よだれが急に大量に出ました。どうしたらいい?
A. 中毒や痛みが原因の可能性が高いため、すぐに受診してください。 - 食べ物を見せていないのに、よだれが多いのはなぜ?
A. 歯周病・口内炎や胃の不調など病気のサインの可能性があります。 - 泡状のよだれは危険?
A. 緊急性が高い場合が多く、特に中毒では見られるため早めの診察が必要です。
まとめ
犬のよだれ増加は、生理的なものから病気まで原因はさまざまです。
特に 歯周病・中毒・熱中症・口の痛み は緊急性が高いため注意が必要です。
「いつもと違う」「よだれが止まらない」と感じたら、早めの受診が安心につながります。
厚木市・海老名市・伊勢原市で犬のよだれや口の異常が気になる方は、
お気軽にはやし犬猫病院へご相談ください。
厚木市本厚木のはやし犬猫病院では、犬のよだれ・口腔トラブル・中毒・熱中症などに対応しています。


