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病院ブログ|厚木市にある土日診療・往診の動物病院 - はやし犬猫病院

【獣医師が解説】犬のくしゃみが続くときに考えられる原因と対処法|厚木市のはやし犬猫病院

厚木市、海老名市、伊勢原市の皆様こんにちは。
厚木市本厚木の動物病院、はやし犬猫病院です。

 

初めての方はこちら

 

「うちの子、最近くしゃみが増えた気がする…」「何度も連続でくしゃみをしていて心配」
そんなご相談をよくいただきます。

犬のくしゃみは、単なる刺激によるものから、治療が必要な病気のサインまで、さまざまな原因が考えられます。
今回は、くしゃみの主な原因や受診の目安、治療・予防のポイントについて、わかりやすくご紹介します。

■症状|犬のくしゃみにもいろいろなタイプがあります

犬のくしゃみは、「クシュン」と単発で出るものもあれば、「クシュン、クシュン」と立て続けに起こるものもあります。
たまにする程度で、元気や食欲に変化がなければ、ほこりや冷たい空気、水が鼻に入ったなどの一時的な刺激が原因かもしれません。

一方で、以下のような症状がある場合は注意が必要です。

  • くしゃみが何度も連続して出る
  • 鼻水が出る(特に黄色や緑っぽい色)
  • 鼻血が混じる
  • くしゃみと同時に元気や食欲がなくなる
  • 鼻づまりや苦しそうな呼吸が見られる
  • くしゃみが何日も続いている

「ただのくしゃみ」と思っていても、病気のサインであることもあるため、気になるときは一度ご相談ください。

■原因|犬のくしゃみにはさまざまな理由があります

くしゃみの原因は大きく分けて5つほど考えられます。

まず多いのが、ウイルスや細菌による感染症です。特に「ケンネルコフ」などは咳やくしゃみ、鼻水など風邪のような症状を引き起こします。ワクチンで予防できるものもありますが、接種していないと発症することがあります。

次に、花粉やハウスダスト、香水、タバコの煙などによるアレルギーが原因でくしゃみをするケースもあります。季節性のこともあれば、一年中反応してしまう場合もあります。

また、散歩中に草の種や砂、木くずなどが鼻に入ってしまい、異物を出そうとしてくしゃみが出ることもあります。

さらに、意外と多いのが歯の病気からくるくしゃみです。上の奥歯の根っこが炎症を起こすと、鼻とつながっている部分に影響を及ぼし、くしゃみや鼻水の原因になることがあります。

中高齢のワンちゃんで、片側だけから鼻水が出たり、くしゃみが長く続く場合には、腫瘍やポリープなどが原因のこともあります。

■動物病院に行くべき目安

次のような症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

  ✅1日に何度もくしゃみをしている

  ✅2日以上、症状が続いている

  ✅鼻水が黄色や緑色をしていたり、血が混じっている

  ✅鼻が詰まって呼吸が苦しそう

  ✅食欲がない、元気がないなど、全身状態に変化がある

  ✅中高齢でくしゃみや鼻水が急に始まった

特にシニアのワンちゃんでは、腫瘍の可能性も考えられますので、早めの検査が安心です。

■治療方法|原因に合わせて適切な治療を行います

くしゃみの原因は一つではないため、まずは身体検査や必要に応じて画像検査、血液検査などを行い、しっかりと原因を見極めます。

感染症の場合は、抗生剤や抗ウイルス薬を使って治療を行います。アレルギーが疑われる場合には、抗アレルギー薬や生活環境の見直しが必要になることもあります。

異物が原因であれば、内視鏡などを使って丁寧に取り除きます。
歯の問題がある場合は、歯科治療(歯石除去や抜歯)を行うことで症状が改善します。
腫瘍などが見つかった場合は、手術や二次診療施設との連携による治療をご提案することもあります。

■はやし犬猫病院の治療について

当院では、まず**「原因をきちんと調べること」**を大切にしています。

レントゲンや内視鏡などを使って鼻の奥まで丁寧に確認し、必要に応じてPCR検査や歯科のチェックも併せて行います。
アレルギー体質の子には、薬だけに頼らず、生活習慣の改善や食事のアドバイスも行っています。

「この子にとって、何が一番負担が少なく、効果的か」を飼い主さまと一緒に考えながら、やさしく丁寧な診療を心がけています。

■予防方法|くしゃみを減らすためにできること

日常生活の中でも、くしゃみを予防するためにできることがあります。

まずはワクチン接種をしっかりと行うことで、感染症から守ることができます。
次に、室内の掃除や換気、空気清浄機の使用などで、アレルギーの原因となるものを減らしましょう。
歯みがきや歯科健診で、歯の健康を守ることも大切です。

また、お散歩中に草むらなどへ鼻を突っ込ませないよう注意することで、異物混入の予防にもつながります。

■Q&A|飼い主さまからよくいただくご質問

  1. 逆くしゃみが多いのですが大丈夫ですか?
    A. 逆くしゃみは、鼻の奥が刺激されたときに起こる発作のようなもので、多くの場合心配はいりません。ただし、頻繁に起きる・発作が長い場合は一度診察をおすすめします。
  2. 自宅で様子を見ていいのはどんなとき?
    A. 単発のくしゃみで、元気や食欲がある場合は様子を見てもよいことがあります。ただし、2日以上続く場合や、鼻水・鼻血を伴うときは早めに受診をおすすめします。
  3. 人の風邪薬を飲ませてもいいですか?
    A. 人の薬を犬に使うのはとても危険です。絶対に自己判断では与えず、必ず獣医師にご相談ください。

■まとめ|「たかがくしゃみ」と思わず、気になったらご相談ください

犬のくしゃみは、軽い症状に見えても、体の中からのサインであることがあります。
特に、長引く・鼻水を伴う・元気がないといった症状がある場合は、早めに診せていただくことで、大きな病気を未然に防ぐことができます。

はやし犬猫病院では、飼い主さまと一緒に考えるやさしい診療を大切にしています。
「ちょっと気になるな…」という時でも、どうぞお気軽にご相談ください。
皆さまとワンちゃんが、毎日を安心して過ごせるよう、スタッフ一同サポートいたします。