【獣医師が解説】犬の便秘が続くときに考えられる原因と対処法|厚木市のはやし犬猫病院
厚木市、海老名市、伊勢原市の皆様こんにちは。
厚木市本厚木の動物病院、はやし犬猫病院です。
「うちの子、最近うんちが出ていない気がする…」「いきんではいるけど、なかなか出ない」
そんな便秘のお悩みを抱えた飼い主さまからのご相談が増えています。
犬の便秘も人と同じく、“よくあるけど放っておかない方がよい症状”のひとつです。
今回は、犬の便秘の原因や受診の目安、治療や予防の方法をわかりやすくご紹介します。
症状|こんな様子は便秘かもしれません
便秘のサインは、排便の回数だけではなく、排便時の様子にも注目することが大切です。
- 2日以上うんちが出ていない
- 何度もトイレに行くが、うんちが出ない
- いきんでも少量しか出ない/硬いコロコロ便
- 排便時に痛がったり、鳴いたりする
- お尻や腰まわりを触られるのを嫌がる
- 元気や食欲がなくなる、お腹が張っている感じがする
上記のような様子が見られるときは、便秘が進行している可能性があります。
原因|犬の便秘はなぜ起こるの?
便秘の原因は一つではなく、生活習慣や病気、年齢などが複雑に関係していることが多いです。
まずよく見られるのが、水分不足や食物繊維の不足です。ドライフードだけを食べていて水をあまり飲まない子は、便が硬くなりがちです。
次に、運動不足も大きな要因のひとつです。特にシニア犬では、活動量が減ることで腸の動きも鈍くなり、便秘を引き起こすことがあります。
また、トイレを我慢する生活習慣や、環境の変化によるストレスも腸の働きに影響を与えることがあります。
さらに注意したいのが、腸や肛門の病気・腫瘍、骨盤の変形や椎間板ヘルニアなどの痛みを伴う疾患が隠れているケースです。これらは便秘の原因となるだけでなく、早期の治療が必要です。
動物病院に行くべき目安
「まだ様子見で大丈夫かな…」と悩まれる方も多いですが、以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
✅丸1日以上うんちが出ていない状態が続いている
✅何度も排便姿勢を取るが出てこない
✅うんちが硬くてコロコロしている
✅便に血が混じっている、肛門が赤く腫れている
✅食欲が落ちている、吐き気がある
✅高齢犬で便秘が続いている
特にシニア期の犬や、持病のある子は、放っておくと体調を崩してしまうこともあります。
「いつもとちがう」と感じたら、早めにご相談ください。
治療方法|便秘の原因に合わせて対応します
当院ではまず、身体検査や必要に応じて画像検査(レントゲン・エコーなど)を行い、便秘の原因を探ります。
軽度の便秘であれば、食事内容の見直しや水分摂取の工夫で改善することも多いです。
中等度以上の便秘では、整腸剤や下剤、浣腸などを用いた治療を行います。
腫瘍や骨格の問題が疑われる場合には、より詳しい検査や外科的な処置が必要となることもあります。
また、便秘が繰り返される子には、生活習慣の見直しや食事指導を含めたサポートを行っています。
はやし犬猫病院の治療について
はやし犬猫病院では、「単なる便秘」で済ませず、根本的な原因に目を向けることを大切にしています。
レントゲン検査でお腹の中の様子を確認し、必要に応じて腸の動きや肛門周囲の状態も詳しく調べます。
さらに、体質・年齢・生活習慣に合わせて、無理のない治療プランをご提案いたします。
また、便秘が慢性化している子には、フードの種類やトッピングのご提案、運動の工夫など、生活の中でできる改善方法も一緒に考えていきます。
予防方法|日頃から気をつけたいポイント
便秘を予防するためには、以下のような日常ケアがとても大切です。
・こまめな水分補給:新鮮なお水をいつでも飲めるようにしてあげましょう
・食物繊維を適度に含んだフード選び:便通を整えるフードもあります
・お散歩や遊びでしっかり運動:腸の動きを活性化させます
・トイレを我慢させない環境:排便のタイミングを逃さないようにしましょう
・定期的な健康診断:内臓や骨格の異常を早期に発見することができます
Q&A|飼い主さまからよくいただくご質問
- 便秘になったとき、自宅でできることはありますか?
A. お腹をやさしくマッサージしてあげたり、運動を少し増やすことで改善する場合があります。ただし、無理に浣腸をしたり、人間用の便秘薬を与えるのはとても危険です。 - 便秘かどうか見分けがつきません。
A. 排便の頻度だけでなく、便の硬さや、排便時の様子(痛がる、いきむなど)もチェックしてみてください。不安なときはお気軽にご相談ください。 - 年をとってから便秘が増えました。大丈夫でしょうか?
A. シニア犬は腸の動きがゆっくりになりがちなので、便秘が起こりやすくなります。ただし、年齢のせいと決めつけず、病気が隠れていないか確認することが大切です。
まとめ|「出ないな…」と思ったら、早めに相談を
犬の便秘は、軽く見られがちですが、お腹の中からのSOSサインであることもあります。
特に長引く場合や、食欲や元気に変化があるときは、早めに診せていただくことで、重症化を防げることが多いです。
はやし犬猫病院では、ワンちゃんの体と心にやさしい便秘治療を心がけています。
「最近ちょっと便が出にくいかも…」と思ったら、お気軽にご相談ください。
皆さまの大切なご家族が、毎日スッキリ元気に過ごせるよう、スタッフ一同お手伝いさせていただきます。