病院ブログ

BLOG

病院ブログ|厚木市にある土日診療・往診の動物病院 - はやし犬猫病院

【獣医師が解説】猫の熱中症にご注意!症状・対処法・予防法を解説|厚木市のはやし犬猫病院

厚木市、海老名市、伊勢原市の皆様こんにちは。
厚木市本厚木の動物病院、はやし犬猫病院です。

 

初めての方はこちら

 

「猫は暑さに強いって聞いたけど…」
「室内飼いだから熱中症の心配はないよね?」

そんなふうに思っていませんか?

実は、猫も熱中症になります。
しかも、発見が遅れると命に関わるほど危険な状態になることもあります。

今回は、猫の熱中症の原因や症状、家庭での対処法と予防のポイントについて、獣医師がわかりやすく解説いたします。

 

猫も熱中症になるの?

はい、猫も高温多湿の環境では熱中症になるリスクがあります。
特に梅雨明けから夏の終わりにかけて、気温が30度を超える日や湿度が高い日には注意が必要です。

猫は犬と比べると暑さに強そうに見えますが、実際は汗をかけない、体温調節が苦手という点では同じです。
そのため、締め切った室内や風通しの悪い場所では、あっという間に熱がこもってしまうのです。

 

こんなときは注意|猫の熱中症の症状

熱中症は、早期に気づいて対処することが何より大切です。
次のような様子が見られたら、すぐに対応しましょう。

呼吸が早い・ハァハァと口を開けて呼吸している(※猫のパンティングは要注意)

体が熱い(特に耳・脇・肉球)

ぐったりして元気がない/動かない

よだれが出ている

食欲がない

歩き方がおかしい/ふらつく

嘔吐や下痢がある

意識がぼんやりしている、反応が鈍い

これらは熱中症の初期〜中等度のサインですが、重度になるとけいれんや意識喪失、呼吸困難を起こすこともあります。

 

応急処置|自宅でできる対処法

万が一、猫に熱中症のような症状が見られた場合は、すぐに応急処置を行いましょう。

  1. すぐに涼しい場所へ移動させる
    エアコンの効いた部屋へ、できれば風通しのよい場所へ移しましょう。
  2. 水分を与える
    自力で飲めそうなら、常温の水を少量ずつ与えてください。無理には与えないようにしましょう。
  3. 体を冷やす
    濡らしたタオルで体を包んだり、肉球・脇・首まわりを保冷剤や冷やしたタオルで優しく冷やしてあげましょう。

ただし、氷水をかけたり、急激に冷やすのは逆効果になることもあります。
あくまで徐々に体温を下げることを意識してください。

そして、症状が軽くなったとしても、必ず動物病院で診察を受けましょう。
一見回復したように見えても、内臓にダメージが残っている場合があります。

 

熱中症になりやすい猫の特徴

特に以下のような猫ちゃんは、熱中症のリスクが高いので注意が必要です。

  • 高齢の猫/子猫
  • 持病(心臓・腎臓など)のある猫
  • 短頭種(ペルシャ、エキゾチックショートヘアなど)
  • 肥満傾向がある猫
  • 長毛種で毛量が多い猫
  • 飲水量が少ない/あまり動かない猫
  • 夏でも日なたで寝るクセがある猫

「うちの子は大丈夫」と思わずに、環境や体調に合わせたケアを心がけましょう。

 

予防方法|大切なのは“室温・湿度・水分補給”

猫の熱中症を防ぐには、次のような対策が効果的です。

  1. 室内の温度と湿度管理

エアコンや除湿器を活用し、室温は25~28℃前後、湿度は50~60%を目安に保ちましょう。
締め切った部屋は要注意。エアコンのつけっぱなしもOKです。

  1. 水を飲みやすくする工夫

複数の場所にお水を置いたり、流れる水が好きな子には**ペット用の給水器(自動水飲み器)**もおすすめです。
ウエットフードやスープ系おやつを併用するのも効果的です。

  1. 風通しをよくする

エアコンと併用してサーキュレーターや扇風機で空気を循環させましょう。
日中はカーテンを閉めて直射日光を避けるのも◎。

  1. クールマットやひんやりスペースを作る

アルミ製マットや涼しい素材のベッドなどで、自由に涼めるスペースを用意しましょう。

 

Q&A|飼い主さまからよくあるご質問

  1. 猫も犬のようにハァハァするの?
    A. 基本的に猫は口を開けて呼吸しません。ハァハァ(パンティング)している場合は異常のサインとしてすぐに受診をおすすめします。
  2. エアコンをつけっぱなしにしても大丈夫ですか?
    A. はい、熱中症予防のためにエアコンの使用はむしろ推奨されます。電気代はかかりますが、健康には代えられません。
  3. 室内飼いでも熱中症になりますか?
    A. なります。特に締め切った部屋で風通しが悪い、直射日光が入る環境は注意が必要です。

まとめ|「猫は暑さに強い」は誤解です!

猫も人間と同じように、暑さと湿気に弱い動物です。
特に室内飼いの猫ちゃんは、飼い主さまの気づきと対策が命を守るカギになります。

はやし犬猫病院では、季節ごとの健康管理や熱中症のご相談にも丁寧に対応しています。

「この暑さで大丈夫かな…?」
「最近、水を飲む量が減っている気がする」など、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

大切な猫ちゃんが、夏を快適に乗り越えられるよう、スタッフ一同サポートいたします。