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病院ブログ|厚木市にある土日診療・往診の動物病院 - はやし犬猫病院

【獣医師が解説】犬の鼻水の原因と治療法|厚木市のはやし犬猫病院

厚木市、海老名市、伊勢原市の皆様こんにちは。
厚木市本厚木の動物病院、はやし犬猫病院です。

 

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わんちゃんが「鼻がズルズルしている」「くしゃみをよくする」など、鼻水の症状を見せることはありませんか?
一見軽い風邪のように見えても、鼻水の原因には感染症やアレルギー、歯の病気、さらには腫瘍などが隠れている場合もあります。

今回は、犬の鼻水について、症状や原因、治療法、自宅でのケア方法を獣医師がわかりやすく解説します。

 

犬の鼻水とは?

犬の鼻水は、鼻腔(びくう)や副鼻腔の炎症・刺激によって分泌される粘液です。
本来は異物や細菌を外に出すための防御反応ですが、分泌量が多くなったり、長引く場合は病気が疑われます。

鼻水の色・性状・左右差などから、ある程度原因を推測できます。

 

鼻水の種類と症状の違い

鼻水の状態 主な原因
透明でさらさら 風邪、アレルギー、乾燥
白や黄色っぽい粘り気のある鼻水 細菌感染、副鼻腔炎
血が混じる鼻水 炎症の悪化、外傷、腫瘍
片側だけ鼻水が出る 異物混入、歯根膿瘍、腫瘍など

また、鼻水のほかに「くしゃみ」「鼻づまり」「涙目」「呼吸音の異常」などが見られる場合は、病気の進行が考えられます。

 

犬の鼻水の主な原因

犬の鼻水の原因は多岐にわたります。代表的なものを挙げます。

  • ・ウイルス・細菌感染:犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)、犬パラインフルエンザなど
  • ・アレルギー:ハウスダスト、花粉、タバコの煙など
  • ・異物の侵入:草の穂や砂、ほこりなどが鼻に入る
  • ・歯の病気:上顎の歯(特に犬歯や奥歯)の根元に膿がたまり、鼻に抜けてくる
  • ・腫瘍:鼻腔内や副鼻腔内にできた腫瘍によって鼻水・鼻血が出る

原因によって治療内容が大きく変わるため、「色」や「出る側」などの観察が非常に重要です。

 

動物病院に行くべき目安

次のような症状がある場合は、早めに受診してください。

  • 鼻水が 1週間以上続く
  • 鼻水に 膿や血が混じる
  • ✅片方の鼻だけから出ている
  • 鼻づまりで 呼吸が苦しそう
  • ✅くしゃみ・咳・発熱を伴う
  • ✅食欲や元気がない

とくに片側だけの鼻水や血混じりは、腫瘍や歯の病気が関係していることが多く、早期の検査が必要です。

 

犬の鼻水の治療法

原因に応じて、治療内容は次のようになります。

  • ・感染症の場合:抗生剤や抗ウイルス薬、消炎薬の投与
  • ・アレルギーの場合:抗ヒスタミン薬やステロイド、アレルゲン除去
  • ・異物の場合:鎮静下での異物除去
  • ・歯根膿瘍の場合:歯の抜歯や洗浄処置
  • ・腫瘍の場合:CT検査後、外科手術や放射線治療を検討

いずれの場合も、根本原因の特定が最も重要です。見た目だけでは判断できないため、検査を行うことをおすすめします。

 

はやし犬猫病院での治療

当院では、鼻水の原因を明確にするために以下の検査を行います。

  • ・視診・触診による鼻腔のチェック
  • ・鼻腔レントゲン・CT検査(副鼻腔や歯根の確認、CT検査は実施可能な施設を紹介します)
  • ・血液検査(感染や炎症の有無)
  • ・歯科レントゲンによる歯根病変の確認
  • ・必要に応じて、鼻腔内の細胞検査(腫瘍や真菌の有無)

 

呼吸器・歯科の両面から総合的にアプローチし、
ワンちゃんの負担を最小限に抑えながら治療を行っています。

 

ご自宅での対処法

軽度の鼻水や治療中のケアとして、次のような方法があります。

  • ・室内の 湿度を40~60%に保つ(加湿器を活用)
  • ・鼻周りを 柔らかいガーゼで優しく拭く
  • ・タバコやお香、芳香剤など 刺激物を避ける
  • ・定期的な歯磨きで口腔トラブルを防ぐ
  • ・外出後は 花粉やホコリを拭き取る

ただし、鼻づまりがひどい場合や、呼吸音が「ズーズー」「フガフガ」としている場合は、無理せず動物病院へ。

 

予防

鼻水を防ぐためには、日常のちょっとしたケアが効果的です。

  • ・混合ワクチンで感染症を予防
  • ・定期的な歯科検診で歯根膿瘍を防ぐ
  • ・ハウスダストや花粉対策として空気清浄機を活用
  • ・定期的な 健康診断で早期発見

特に高齢犬は免疫力が低下しており、慢性副鼻腔炎や腫瘍が見つかるケースもあります。
年に1~2回の健康チェックをおすすめします。

 

よくある質問

  1. 犬が鼻水を出していても元気です。様子を見てもいいですか?
    A. 元気があっても、歯や鼻の奥に炎症がある場合があります。長引くようなら一度検査をおすすめします。
  2. 鼻水に血が混じっています。危険ですか?
    A. 炎症が強い場合や腫瘍の可能性もあるため、早めに受診してください。
  3. 家でできる鼻水対策はありますか?
    A. 加湿・清潔・刺激物を避けることが基本です。ただし、慢性化する前に原因を調べることが大切です。

 

まとめ

犬の鼻水は、単なる風邪症状と思われがちですが、
感染症・アレルギー・歯の病気・腫瘍など、原因はさまざまです。

早めの診察と検査によって、重症化を防ぐことができます。

厚木市・海老名市・伊勢原市で犬の鼻水やくしゃみが続く場合は、
お気軽にはやし犬猫病院までご相談ください。

厚木市本厚木のはやし犬猫病院は、犬の鼻水・くしゃみ・鼻づまりなど呼吸器トラブルの診療に対応しています。