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病院ブログ|厚木市にある土日診療・往診の動物病院 - はやし犬猫病院

【獣医師が解説】犬のけいれん発作が起きたときに考えられる原因と対処法|厚木市のはやし犬猫病院

厚木市、海老名市、伊勢原市の皆様こんにちは。
厚木市本厚木の動物病院、はやし犬猫病院です。

 

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「突然体がピクピク震えて、びっくりした…」
「意識がないような様子でバタバタしていた…」

大切なワンちゃんに“けいれん”が起きたとき、驚きと不安で頭が真っ白になってしまったという飼い主さまも多いと思います。

けいれんは一時的なものから、継続的な治療が必要な病気まで、さまざまな原因があります。
今回は、犬のけいれんの原因や見分け方、受診の目安、治療や日常生活で気をつけたいことについて、わかりやすく解説します。

■症状|犬のけいれんとはどんな状態?

犬のけいれんは、筋肉が突発的に収縮することで起こる発作のような動きです。けいれんの現れ方にはいくつかのパターンがあります。

  • 全身がガクガクと震える(全身性けいれん)
  • 足だけ、顔だけなど一部がピクピクする(部分けいれん)
  • 突然倒れて、意識がないような状態になる
  • 口から泡を吹く、失禁する、目がうつろになる

時間にしては数十秒〜数分程度のことが多いですが、けいれんが数分以上続いたり、何度も繰り返す場合は緊急性が高くなります。

■原因|けいれんの背景にはさまざまな要因が

犬のけいれんには多くの原因が考えられます。主なものをご紹介します。

  1. てんかん(特発性てんかん)

脳の電気的な異常でけいれん発作が起こる病気です。1歳〜5歳くらいで発症することが多く、定期的にけいれんを繰り返すのが特徴です。

  1. 脳の疾患や腫瘍

高齢犬で急にけいれんが始まった場合、脳腫瘍や脳炎、脳出血などが関係している可能性もあります。

  1. 中毒や誤食

チョコレート、タマネギ、キシリトールなど、犬にとって有害なものを口にすると、神経に作用してけいれんを引き起こすことがあります。

  1. 低血糖や肝臓の病気

特に子犬や小型犬で低血糖になると、意識障害やけいれんが見られることがあります。また、肝臓病によるアンモニアの蓄積でも脳に影響が出ることがあります。

  1. 熱中症・脱水

体温の急上昇や脱水によっても、筋肉が異常収縮しけいれんを起こすことがあります。

■動物病院に行くべき目安

けいれんが起きたら、一度でも必ず動物病院を受診することをおすすめします。
以下のような場合は特に緊急です。

けいれんが5分以上続いている

短時間でも1日に何度も発作が起こる

発作の後も意識が戻らない/ぐったりしている

泡を吹いたり失禁するなど激しい症状がある

高齢犬で急にけいれんが始まった

子犬・持病のある犬でけいれんが起きた

発作が落ち着いた後でも、動画を撮影しておくと診断に役立ちます。
できる範囲で時間や状況をメモしておくことも大切です。

■治療方法|原因に合わせた検査と治療を行います

当院では、まずは身体検査・血液検査・神経学的検査を行い、必要に応じてレントゲン・超音波・MRI検査(提携施設)**などを組み合わせ、原因を明らかにしていきます。

  • てんかんと診断された場合は、抗てんかん薬を使用し、定期的な通院と血中濃度のモニタリングが必要です
  • 中毒の疑いがある場合は、胃洗浄・点滴・解毒処置を行います
  • 内臓疾患が原因の場合は、基礎疾患の治療を優先します
  • 脳腫瘍などが原因の場合は、専門施設での高度医療と連携し、治療方針を決定します

■はやし犬猫病院の診療について

けいれんは、飼い主さまにとってとても不安な症状です。
当院では、まず**「原因を知ること」**を大切にし、必要な検査を丁寧にご説明した上で治療方針をご提案します。

  • 発作を記録した動画や状況を丁寧にヒアリング
  • ワンちゃんへの負担を最小限に抑えた診察・処置
  • 飼い主さまの生活スタイルや通院頻度に合わせた薬の選択やフォロー体制
  • 急変時の対応マニュアルも一緒にご案内します

■予防と日常の注意点|できるだけ発作を防ぐために

けいれんの予防は原因によって異なりますが、日常でできることもあります。

  • 薬の飲み忘れを防ぐ:抗てんかん薬は継続が大切です
  • 誤食に注意する:チョコレート・ぶどう・キシリトールなど、危険な食品を手の届かない場所に
  • ストレスや刺激を減らす:急な音・光・興奮が発作の引き金になることもあります
  • 食事・運動・睡眠を安定させる:体調の波を減らすことで、発作のリスクを下げられます
  • 定期検診を受ける:血液検査や健康診断で内臓の異常を早期に発見

■Q&A|よくあるご質問

  1. 発作中はどう対応すればいいですか?
    A. 発作中は触らず、安全な場所でそっと見守ってください。動画を撮影できれば診察時の参考になります。発作が数分以上続く場合は、すぐに病院へ連絡を。
  2. けいれんが1回だけなら様子を見てもいいですか?
    A. 1回だけでも、背景に病気が隠れていることがあります。原因を確認するためにも、一度ご相談ください。
  3. 抗てんかん薬は一生飲まないといけませんか?
    A. 多くの場合、継続的な服薬が必要です。ただし、頻度や体調の変化に応じて調整できることもありますので、獣医師と相談しながら管理していきましょう。

■まとめ|「けいれん」は体からのSOSかもしれません

犬のけいれんは、見ているだけでもとても不安になる症状です。
ですが、早期に診断・治療を始めることで、発作をコントロールしやすくなるケースも多くあります。

はやし犬猫病院では、不安な気持ちに寄り添いながら、ワンちゃんにとって最善の治療をご提案しています。
「一度だけだけど、気になる…」そんなときも、どうぞお気軽にご相談ください。

私たちは、ワンちゃんと飼い主さまが安心して毎日を過ごせるよう、全力でサポートいたします。